犠牲祭
今日は犠牲祭でした。
朝から夫の実家で羊を屠りました。(私はほとんど見ているだけですが) 実家では、長男一家の分、伯父さんの分、うち&義母の家の分と、3頭やりました。 去年・おととしは他の家族も合同で5頭だったので、今年は少なく感じました。 喉元を切って血を出し、足もとから自転車の空気入れで空気をいれて皮離れをよくしたら、 皮をはぎます。 逆さ吊りにして血をだしつつ、内臓を取り出します。ここまでは男性の仕事。 女性の仕事は、もっぱら内臓と頭部の処理です。 頭部と足は直火で炙って、脳みそを出すようです。足はスープのダシにでも使うのかな。 脳みそは卵焼きに入れたものを食べたことがありますが、コクがありました。 内臓はきれいに洗って・・・これが大変な作業です。 心臓・胃・大腸・小腸等々、それぞれ「なるほどなあ~」という形ですよ。 大腸には水を入れて空気を吹き込み(口で)、中をきれいにします。 肺は毛細血管に血が溜まっているので、やはり空気を入れて膨らましてから切りつけ、血をきれいにします。 小腸は細くて長いので、中に小さな棒を入れて中のものを押し出します。 そしてきれいにしたあと、またひと仕事。 ウスバーンと言われる、腸詰ならぬ胃袋詰めの準備。 胃袋を適当な大きさに切ったあと、胃壁を分離させて(これがちょっと大変)袋状にして裏表にしておいたものに、 臓物類を塩ゆでして細かくきったもの、イタリアンパセリ、塩、香辛料、米、油を入れてまぜた具を詰め、糸で縛ってボール状にするのです。 私はこれが入ったクスクスがとっても好きなんです~! 上記の作業を3頭分やるのでかなり大変、時間もかかります。 女性たちはかしましくおしゃべりしながら作業してます。よく話題があるなあ。 百聞は一見にしかずなので、写真があるといいですが こういう時に限ってなぜかカメラを忘れてしまう・・・。 一番写真に撮りたかったものは、胆嚢です。 美しい青緑色をした液体が入った小袋でした。 すご~く苦いので料理には使わず、羊の中では珍しい『利用されない』部分です。 今年は羊価格が高いので、買い控えているのかと思いましたが、 なんのことはない、ほとんどの家で羊を用意していたようです。 特にこちらは保守的な田舎ですしね~。 高いからやめようかと思ったけど、やはり習慣だからと調達したのでは。 それでも、一連の作業がとても大変なことを思うと、 時代とともに『羊を屠る日』が『羊を食べる日』に変わっていくかもしれませんね。
by msbrick
| 2013-10-15 17:13
| 日記
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